Decoding "Reimei"

* メイドインアビスのボンドルド個人のエンディング(?)のネタバレを大量に含みます
* 「黎明」、つくしあきひと先生原画の解釈と推測

---

< A. はじめに >

 

ボンドルドは大きな両面性を持つキャラクターですが、実は黎明(夜明け)という意味からもしてそうです。
辞書で黎明は[新しい希望、夜明けに差してくる日の光]を意味しますが、ボンドルドが言う[黎明(夜明け)]は単に美しいだけのものではありません。

メイドインアビスで言う[黎明(夜明け)]は[次の二千年、近づいてくる未来]そして[もしかしたら破滅的かもしれない時間軸のエンディング]を意味することもあります。

今も時間は流れています。スラージョははっきりと[次の二千年が始まろうって時]と言いました。

エンディングが遠くありませんでした。

ボンドルドは徐々に近づいてくるこの[黎明(夜明け)]を迎えるために準備するキャラクターです。
そして「アビスの未来を見ること」がボンドルドの憧れであり、「祝福された肉体の必要性」です。
(これは4～5巻で既にボンドルドが直接、間接的に言及し続けています)

---

< B. 作品 の外観を察してみる >

[B-1] 破滅を迎えたかのような赤い背景 (次の二千年を迎えた状況)
絵のタイトルは[黎明]ですが、ボンドルドの色である紫は見当たりません。

代わりに背景全体を赤く表現したのは、作家が黎明卿というボンドルド個人の象徴より、  破滅を伴う次の時代の始まりという過渡期的な「黎明(夜明け)」= [次の二千年] を表そうとしたのだと推測させます。

次の世界(黎明)を迎えるためには、滅亡が伴うのはある意味当然です。

(例：古代エジプト文明、恐竜の絶滅)

[B-2] ボンドルドのデミゴッド(半神化) OR 神格化
* アンブラハンズたちで作られた後光：後光は一般的に神聖さを象徴する装置です。

この作品では「アンブラハンズの仮面」がその後光を成しています。次の二千年を迎える過程が、アンブラハンズたちの盲目的な祈りと犠牲によって成し遂げられたことを暗示します。

* 空から降りてくる神聖な光の柱：絵の中央を横切って降りてくる光線は、神のような超越的な存在が人間の世界に現れたことを視覚的に表現するためによく使われます。

---

< C. ボンドルドが次の二千年を迎え、神になる >

ボンドルドは自分に 相手が 全てを捧げるほど愛慕する場合は、
大人はアンブラハンズとして、子供はカートリッジとして一緒にしました。

しかし、スラージョが言及したように、次の二千年はすでに目の前であり、ボンドルドが成功させた祝福の肉体(プルシュカのカートリッジ)は既にレグとリコによって破壊されました。

そのため、再びカートリッジとしての子供たちを準備する時間がなく、結局、ボンドルドは残ったアンブラハンズたちを全員犠牲にしたものと見られます。

 

ただし、[黎明]の作品を参考にすると、カートリッジと同じ方法でアンブラハンズたちを消費したわけではないと推測されます。(ボンドルドの背中にカートリッジがない＆以前成功した祝福の肉体とは異なる形態の手のひらの形と毛の量)

そして、「ボンドルドが新しい祝福の肉体を得た方法」を説明するためには、

下記の[C-1]と[C-2]を先に説明しなければなりません。

[C-1] ボンドルドのカルト宗教的な特徴
ボンドルドは [ 復活するキャラクター / 祈る手 / 神聖なBGM / 命を含め全てを捧げ盲目的に従う人々 / 個人の集団化など ] の非常に多くの特徴のため、[カルト宗教]と似た性向を多く持っています。

特にアンブラハンズは個人の特徴を持ちながらも、基本的に集団として分類される傾向が強いです。
ボンドルドの後ろにある後光も一つ一つが乱れているのではなく、一つの円を形成することでボンドルドを崇める集団の姿を帯びています。

[C-2] ゾアホリックと魂の自由

ゾアホリックは死亡時に隷属が解かれる = 生存時にのみ隷属しており、

死後も永遠の隷属を続けるわけではない。
この特徴については、黎明の劇場版Blu-rayの表紙イラストに既に伏線があります。

 

 

添付された作品を見ると、手を振るアンブラハンズがいて、まだ祈っているアンブラハンズがいます。

これは単なる性格の違いではなく、ゾアホリックに隷属されたアンブラハンズと、

死によって魂が自由になったアンブラハンズの違いをつくし先生が差別化したものです。

(ゾアホリックの隷属から解放された者たちは祈る手ではないため、もはや祈りのポーズを取らないという暗示)

 

証拠として、劇場版で死亡したビドゥー、スウマーマ、グェイラなどのキャラクターは手を振りながらプルシュカを見送っています。しかし、ギャリケーのような生存しているアンブラハンズは祈りで見送っています。

(劇場版や漫画でも生きているアンブラハンズたちは祈りで見送っています)

つまり、ゾアホリックは隷属させられる対象者が死ぬと、その魂は自由になります。
しかし、「アンブラハンズ」たちの憧れは死後も変わらずボンドルドに向かっていたため、彼らは[アビス信仰]に従ってボンドルドの元へ再び戻ってきました。

しかし、ボンドルドがアンブラハンズを[カートリッジのように犠牲にするには]一つの問題があります。

 

アンブラハンズの [精神性が生物ではない]

 

実は 、 ボンドルドは既に原作でアンブラハンズで愛を通じたカートリッジ実験を行い、

失敗した事例があります。

リコの言葉に 自分たち(祈手)ではカートリッジは作れないと答えるボンドルド

 

ゾアホリックと白笛のせいで ( ハンズ とボンの魂と共にあるのせいで )、

アンブラハンズの精神は純粋な「 生物 」と見なされなかったようで、

彼らを利用したカートリッジ実験は失敗に終わりました。

これにボンドルドは心外の意を表しました。

---

[C-3] 二千年を迎えた具体的な方法：アンブラハンズたちの集団犠牲

先ほど長く説明したカルト宗教とゾアホリックの特性は、ボンドルドが神になるための具体的な方法を推論するためでした。ボンドルドが神のような存在に生まれ変わるためには、二つの前提が必要です。

1. 全てのアンブラハンズはゾアホリックの隷属から解放されなければならない。

(精神性が 生物に戻らなければならない)
2. 神になったボンドルドは、一般的な少数の犠牲で成り立ったわけではない。
(作品の祝福ボンドルドは、神になったかのような神聖な描写に満ちている)

そして、アビスはそれほど優しい場所ではないので、特級遺物(ゾアホリック)の隷属を解く方法は、アンブラハンズたちの集団自殺です。 ( 実際にカルト宗教でたまにある衝撃的なことです。)

ボンドルドの体には血一滴付いておらず、服も全く乱れていません。
アンブラハンズたちの反抗も、武力も何もない、自発的な犠牲です。

これはボンドルドの一方的な洗脳による「自殺 」であり、

同時にそれに喜んで応じたアンブラハンズたちの「献身的な殉教」というを見せてくれます。

もしかしたら、絶界の祭壇の内部でボンドルドを中心に皆が祈りを捧げ、
呪いを引き受ける儀式だったのでしょうか ? 

具体的な方法は想像し難いですが、ボンドルドが「ユアワース(白笛)」からアイデアを得てカートリッジを作ったように、この集団犠牲もまたユアワース製作儀式の高次元的な変形だったでしょう。結局、本質はカートリッジと同じ脈絡の洗脳。

 

" 共に夜明けを見届けましょう "

---

この方法はカートリッジより、
もう少し高次元的な犠牲です。

基本的にカートリッジは「肉体」の犠牲です。
その犠牲者の魂にまで束縛することはありません。

カートリッジとして犠牲になったプルシュカはボンドルドを依然として愛していますが、
自身の憧れである冒険のためにリコと共にボンドルドの元を離れ、一個の人間として独立しました。

しかし、あの原画[黎明]は、アンブラハンズは、
独立どころか魂までも依然として[黎明]に隷属したままです。

それはすべて
[ 黎明卿の憧れをかなえるために ]

そして、彼らは一つの後光となり、次の二千年の時代で、
黎明の信仰の土台として永遠に黎明のために祈り、彼を神として仕え、
黎明の信者として喜んで隷属しました。

そしてボンドルドは自分のそばに残っているアンブラハンズたちだけでなく、死後、自ら再び戻ってきた魂までも自身の後光として完全に隷属させました。

その証拠に、彼らを意味する紋様(ビドゥー、グェイラなど)が所々に見えます。

既に原作と劇場版で死亡した者たちも、黎明(光)に自ら戻ってきた罪として、 ボンドルドに魅入られ、喜んで囚われたという意味です。

戻ってきたのは自らの意思でした。
アンブラハンズ自身でした。
彼らの選択でした。

つまり, ボンドルドは自身の憧れのために二千年の黎明を目前にして、
全てのアンブラハンズたちの魂までも自分のものとして完全に隷属させたのです。

自身の憧れである「アビスの夜明けを見るために」

 

---

そして 、

… [黎明] 作品に子供は全く見当たりません。

ここでつくし先生の[子供を愛する心]と[ボンドルドと子供たちの関係]

そして[子供に対する確固たる信念] など を確認することができますが、

子供たちの憧れは、最初からアビスを冒険することや、お姫様になることなどが夢でした。

だから子供たちは肉体だけがカートリッジとして消費され、ボンドルドの元を去りました。

ボンドルドはナナチにもプルシュカにも、全ての子供たちにとっても、

しばらく滞在する親(出生の地、あるいは休息所)です。

 

子供たちにとってボンドルドは目的地である憧れではないため、

ボンドルドのそばに決して最後まで留まったり、隷属されたりしません。

しかし、ボンドルドが夢であり憧れだった愚かな大人(アンブラハンズ)は、

黎明卿に死んでも戻ってきて、魅入られ、魅了され、結局は魂までも隷属しました 。

だから現在のボンドルドの姿は、数多くのアンブラハンズの中でも、

ボンドルドを心から愛慕し憧れるアンブラハンズだけで作られた後光なのです。

---

< D. 終わりに >

 

このようにしっかりとして魅力的な世界観を構築し、

伏線回収に天賦の才を見せてくださったつくし先生が、

ボンドルドPOP UP STOREの代表作としてこれほど手の込んだ絵を何の意味もなく描かれたはずはないと思います。

ですから、

私はこの絵が事実上ボンドルド個人のエンディングのネタバレだと見ています。

後でメイドインアビスのエンディング頃、

間接的にでもボンドルドのあの姿がまた言及されたらいいですね…

本当に…切に願います…神になったボンドルドですって…？

ボンドルドが劇場版から宗教的な性向が本当に濃いキャラクターでしたが…

本当に神になるなんて…？

(もちろん、この考えはあくまで私の考察と推測なので…

私の解釈が間違っている可能性もありますが。)

とにかく、私は作品が公開されるや否や、これはエンディングのネタバレだ！！！
と強く感じましたが、皆さんはどうですか？

ああ…[黎明] ...... この芸術作品は本当に…ボンドルドと、
そしてボンドルドの憧れである「黎明」にふさわしい作品です。

そして、ボンドルドを神のように楽しむコンセプトがあるボンドルドのファンの方々も、
本当に大変満足されると思います。

この作品は公開されるや否や手に入れたくて、
とても興奮してこの解釈の話がものすごくしたかったのですが、

作品についてツイートをすると、もしかしてこの話を少しでもしたら競争になるかと思って、

ものすごく気をつけていました。

今は私も知人も購入したので、

それなりに安心して文を載せてみます。

 

長文をお読みいただき、
ありがとうございます。😊